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人は「最高」の沼だから落ちるわけではない

声優ライブの話です。何なら落ちるのか。
 
 ※この記事はWUGのファイナルライブの宣伝のはずだったんですけど、どうやらSSAアリーナモードが追加販売分も埋まりそうなので、それはそれとして掲題について語る記事です。
 
Wake Up, Girls!というユニットが解散します。
 
先日ファイナルツアーの千秋楽を終え、残すところファイナルライブのみとなりました。
3月8日(金)にSSAでやります。18:00開演。
実感湧かないけど最後です。解散します。
 
でもごめんなさい。
ここからアイドルマスターミリオンライブ(以下ミリマス)の話をします。
 

 

ミリオンライブ

 
ミリマスは2013年に始まって2019年の2月27日で6周年です。
WUGとほぼ同期のコンテンツです。
アニメ化はしてないんですけどね。
 
そのミリマス、2015年4月に幕張メッセイベントホールで2周年ライブ、所謂ミリオン2ndライブがありました。
ここで既にピンと来る方も居るかと思いますが、2日目公演にて後に語り草となる出来事がありました。
「SV合唱事件」です。*1
『Sentimental Venus』の落ちサビ(大サビ)で音響システムに不具合が発生し、会場に音を出力しているスピーカーからも演者のイヤモニからも曲が消えました。
なんならスポット照明やムービングライトも停止し客電に切り替わりました。
 
ロッコ上の3人の演者は一瞬戸惑いながらも歌う判断、そして観客が続けて一緒に歌いだし、最後*2 まで完走しました。
さらにその後、暗転したままの会場で音響が復旧するまでの約5分間をペンライトと手拍子でライブの熱を絶やさず、次の曲に繋げるという事件。
その鮮烈さから伝説なんて言われ方もします。
 
あの出来事自体は事故みたいなもんなので、奇跡だけど、もう同じようなことが無いといいねって話です。
SVは私も現地で歌ってペンライトで暗闇に明かりを灯したんですが、それはともかくその次の曲の話をしたい。
あの出来事の背景のあれこれは捨て置いて、ライブというものはそういうことが起き得るってのを俯瞰した話をしたいのです。
次の曲は『Helloコンチェルト』でした。
 

勝利の協奏曲

 
トラブルからのリカバリー、しかもコール&レスポンスが入るタイプのキュートポップナンバー。
その盛り上がりは今思い出しても鳥肌が立ちます。
 
雰囲気に混じっていた要素を箇条書きにすると、
  • トラブルにも動じずアカペラで歌い切った演者の度胸への称賛
  • 客席に居た観客がただの傍観者ではなく程度の差はあれど能動的に動いたという実感(各地のライブビューイングでも合唱が起こったと聞いています)
  • そうすることが当たり前かのような自然発生の熱
  • 繋がったことの歓び
  • この程度のトラブルに負けるはずがないという自信
  • 怖いものなんて何も無いんだいう叫びのような大歓声
 
ライブってこういうことあるんですよ。
それはある面では演者やキャラクターが抱いている物語の昇華であったり、コンテンツ自体のポテンシャルの上振れであるわけです。
その日その時だけのドラマがある、ライブが"生き物"と言われる由縁です。
 
ここで掲題の問いに戻ります。
 
あの時を振り返ると確かに「最高」だったと言えなくもないのですが、「最も」という比較前提の形容はやや不正確です。
相対化するまでもなく、そこに居られる幸せをリアルタイムに実感しました。
その記憶が確かに焼き付いています。
 
じゃあ比べる以前、享受した瞬間に何があったかというと、居心地の良さと快楽なんじゃないかなと考えています。
『Helloコンチェルト』のイントロからの頭サビ、強烈なコール&レスポンス。
いつも以上にキャラクターそのものの演者たち。
爽快で痛快だったのです。
 
最高だから落ちるんじゃない、気持ち良いからそこに滞留したくなるんじゃないか、というのが最初の問いへの私の答えです。
 

そもそも比べるのしんどい

 
誰かに何かをオススメすることの苦しさに苛まれることがあります。
だってどれも最高なんですよ。その時間においては。
だから比較って難しい、というより無理です。
はじめからナンセンスなのです。
この世界には最高のものが溢れています。
 
だから「アレと比べてコレが最高」なんて言ってる人を見ても許してあげてほしい。
無理難題を承知で、ヘイト集めるのも承知で、それでも時には伝えたくなるのが人情です。
もどかしいけどお互い様ですからね。
 
人生はタイミングです。
良きときに出会えた、丁度いい温度の、自分にとって気持ちいいところがあなたの沼です。
 
掲題の話は一旦ここまで。
ありがとうございました。
 
さてここからは個人的な挑戦です。
WUGが如何に「最高」かというのを記述するナンセンスな試みです。
でも比べません。
お付き合いください。
 

FINAL TOUR - HOME -

 
2018年7月から始まったWUGのファイナルツアーは全12会場33公演でした。
ちなみに私が参加できたのは5会場7公演でした。
全体の約21%と書くとそこまで少なく感じませんが、各地のレポを読むほどに、そして自分が公演に参加する度に、「1%も味わえなかったんじゃないか」と思えるほど濃密な半年間だったと言って差し支え無さそうです。
 
所謂「最高」の時間はWUGのライブでも訪れました。
ここで問題となるのがその頻度です。
私の主観でいうところの上記のようなミリオン2ndでの得難い感触、気持ち良さが波のように寄せては引き、断続的に襲ってくるのです。
 
これを読んでいるあなたが過去体験したであろう比肩するもの無き"あの最高"が1回のライブで繰り返し打ち寄せてくるのだという想像を要求するのは、乱暴でしょうか。
表現する手段があるとすれば各々が抱える「最高」、そこに至る悦楽の記憶を頼りにして、さらにそれが何故かn回発生する!とでも言うしかないのかもとこう書きました。
 
ライブの参加者として感じたのは、順序の歪(いびつ)さでした。
本来ファンになって長い時間を過ごして、文脈やら背景を理解して得られるはずの内輪感。
"HOME"に巻き込まれるその気持ち良さをコンテンツに参加して1年もしない自分に感じさせる訴求力。
ライブが終わった後に残る謎の成功体験。WUGちゃん優勝したな!
そしてついに至る一期一会の実感、ザ・究極の雑感想「ライブって"生き物"だなぁ」です。
 
それを(どうやら)33回やりました。
 
ファンの誇張か、どうか。
うーん…でも8月に見たときと12月に見たときと2月に見たときでそれぞれ別モノになってたんですね。
「解散ブースト」ではもはや説明がつかない。
ラストアルバムであるメモリアルベストに詰め込まれた、餞(はなむけ)というにはあまりにも輝かしい新曲の4曲、ライブで完成しました。
33公演目、2月24日の千秋楽、聖地・仙台にて生涯忘れえぬ情熱を身に刻みました。
これが最後でも後悔は無いと断言できるほどの歌唱、ダンス、役者の芝居力の神髄。
 
それがあと1回観られるチャンスがあるようです。
 
ちょっと前まで私は本気でSSA埋まらないと思っていたんですが、追加販売分も△マークが出始めました。マジかよ。
まだ半信半疑ですがなんか本当に埋まるらしい? のでもはや私は焦ってもいないし、無理には勧めません。
 
でもね、WUGちゃんのライブ、「最高」に「きもちいい」ですよ。
 
 ※当日券でます

 

 

*1:事件名は今付けただけで一般に「2ndのSV」みたいに言われてます

*2:正確にはアウトロの手前