いつかWake Up, Girls!を忘れるあなたへ
しかし、ライブに参加した各々が抱いた感動を毀損するかもしれない。
※敬称略
ファイナルライブを経て
愛の空間だったし、彼女たち7人も今までの苦労が報われたであろうと想像する。
Wake Up, Girls!の集大成で、同時に卒業式で、WUGちゃんとワグナーの想い出のパレードだった。
今回観に来てくれた多くの人に今のWUGを見てもらって、その凄さを再発見して追いついてもらえたけど、HOME(ファイナルツアー)に居なかった人を"家族"にしてあげられなかったと感じた。
そこだけは間に合わなかった。
あの場に居た人がそれ以上の何かを背負う必要などない。
HOME
このツアーでは、MC中でメンバー同士やファンであるワグナーをも含めて"家族"だと言われることが幾度かあった。
少なくともアニメ作品として特段家族を押し出しているわけではない。
ではいつからそのようなワードが表立って演者・ファン双方から言及されるようになったかというと、2018年5月12日「Green Leaves Fes」での青山吉能のMCに遡る。*3
『ワグナー』お前たちもみんな家族だー!!*4
ワグナーという最高の家族*5
喜びも驚きも(見せてくれる範疇の)葛藤も弱さも互いに受け入れ全力でライブを楽しみ、熱いレスポンスを交わし、一緒に解散に向き合い、受け入れたり受け入れられなかったりしながらも確かに歩いた。
彼女たちはメンバー同士のみならずファンのことも信頼と親しみを込めて家族と呼んだ。
そしてそういった呼称を用いるのは、よくあることでもある。
famとかTRIBEなども同属の表現だ。
同じものが好きであるという同調意識を持たせ、共通言語を話し、身内感を高める。
血縁や姻戚によらない個人・集団を結びつけるための絆として使われる言葉。
「家族ごっこ」の形態はとても汎用的なものだ。
何故なら必ずWUGの成り立ちとも向き合うことに繋がるからだ。
『Polaris』と『TUNAGO』
永野でもやっぱり最初は復興の力になれるようなことはなかなかできなかったんです。*6
奥野震災があったとき、こんなに大勢の方が亡くなったのに、なんで私はその中に入ってないだろう、生きているんだろうということが、すごく不思議で、すごく嫌で。そんな中で、WUGになって、声優になりたいという夢を叶えようとしている私って最低な人間なんじゃないかって思った。
きっかけっかけがきっかけだから、本当は活動をしながら“楽しい”とも思っちゃいけないんじゃないかという気持ちもありました。*7
君と見た景色さえ
黒く塗りつぶされて
楽しいも嬉しいも波がのみこむの- Polaris
東北イオンのCM出演・店内放送、楽天イーグルスとのコラボナイター、岩手・宮城・福島でのチャリティーイベント、メンバーが熱望し続けた東北6県を周るソロイベントツアー、閖上(ゆりあげ)地区を経由するバスツアー。*9
仕事として声優としての夢の実現、エンターテインメントの製作、東北に人を呼び盛り上げる復興支援、伝えること、それぞれをコツコツとやり遂げた。
昨日、みんなでご飯食べた後にコンビニ行ったら、長蛇の列ができちゃって(笑)。店長さんが慌てて出てこられて『何かあったんですか?』って聞かれたから『観光に来てます』って答えたのね。ちよっと嘘ついちゃったんだけど(苦笑)。そしたら『徳島が賑わうのは嬉しい』って。
ここで楽しむのは勿論なんだけど、この後ご飯に行ったり、お店に行ったり、お土産買ったりして、色んな人の幸せが増えたらいいなって思います。このツアーの意義を改めて感じました。徳島に感謝の気持ちを持ちつつ、楽しんで下さいね!*10
ふるさとが にぎわい広がっていく- TUNAGO
それがWUGにおける家族の定義だ。
逃れられない欠落
超優良・無料映像コンテンツWUGちゃんねる*11 も3月で消える。
まさにWUGが目指してきた未来に辿り着いたともいえるが、『TUNAGO』やHOMEツアーを通して見出したものはそれだけではない。
大掛かりな復興支援とか目に見える形のボランティアも出来るには越したことはないが、そんなに高いハードルを設けなくてもいい。
東日本大震災に関係なくていい。
身近な人に災難があったとき、多くの人が悲しい思いをするような不幸があったときに、どう振る舞えるかを考えたり、手を差し伸べることを検討してみてほしい。
WUGを忘れないとは
「この美しいステージに全てが昇華されて、WUGの核心を覚えているのはワグナーだけになってしまう」という危機感を抱いたのだ。
そうやって終わってしまっていい物語なんかではなかったはずだ。
それに加えてWUGから貰ったものにどれだけ自覚的であるか、というのが私の考える「WUGを忘れない」だし、WUGの存在証明だ。
残された方法
バラエティ番組だがきっと7人が好きになる。
あのツアーを創り上げられたのはWUG7人の努力や最後まで彼女たちをサポートした"素敵な大人たち"の存在によるものだが、ライブはステージだけでは成り立たない。
客席の熱量も相応のものがあった。
その上昇し続けたボルテージも含んだ各Partのピークが収録されている。
なぜならセットリストに
『Jewelry Wonderland』
のカバーが入っているからである。
いずれも「作詞:只野菜摘 」「作曲・編曲:広川恵一(MONACA) 」。
あのシングルの試聴環境を用意しなかったavexを私は生涯許さないが*13、Part2ではWUGちゃんがカバーしてくれた。
『君とプログレス』も『Jewelry Wonderland』もメモリアルベストに収録されていない。
君とプログレス/Jewelry Wonderland - 音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~
ちなみにこのブログタイトルの「jw」は『Jewelry Wonderland』から。
映像ソフト化されているものや音源以外では、プレスの記事かファンのレポやツイート検索くらいしかなくなってしまう。
もう一度、WUGちゃんと出会い、別れ、人生の第2.0.1章にマイナーアップデートするのだ。
WUGちゃんと家族になろう。
大前提として私自身"間に合わなかった側"の人間なので半分くらいは自己言及を含む。
後悔している。
出会っていた2016年にWUGに入っていれば、3rdや4thに人を呼べたのにとか、東北ろっけんソロイベやバスツアーに参加できたのにとか。
何より彼女たちの想いをより強く、直接受け取ることができたのに。
2015〜2017年にかけての苦しい時に一緒に走れなかった。
でも、それでもWUGに出会えてよかった。
第5回定期演奏会
— イーハトーヴシンガーズ (@IHATOV_singers) February 20, 2019
【6月8日(土)盛岡市キャラホール】
チケット発売3月1日(金)10時より受付開始!
■チケットぴあ
Pコード 145147
購入ページ https://t.co/rmskGFWiHs
■イープラス
購入ページ https://t.co/KkUSxUOWEn
■プレイガイド【盛岡市】
キャラホール(都南文化会館)ほか pic.twitter.com/P4F4az09pD
『旅立ちの時』を聞けたこと、『言の葉 青葉』を合唱できたことは一生の思い出。
— 欠席 (@takowasaumai) December 9, 2018
WUGの最後の時間、最後までの道とその先のことまでを真っ直ぐに見つめて定めた刻。
あの場にいれてよかった。
イーハトーヴシンガーズの合唱最高でした。
*1:Wake Up, Girls! FINAL LIVE直前インタビューvol.2「強い、笑顔のWUGちゃんで」 - ファミ通.com
*2:Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME -
*3:2018年3月11日 TUNAGO東北ろっけんソロイベントツアー 吉岡茉祐 夜の部のMCでも言及されているようだが、WUG7人いる場としてグリフェスをピックアップする
*4:『WUG』×『RGR』Green Leaves Fes 夜公演レポ | アニメイトタイムズ
*5:『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART III KADODE~』熊本夜公演レポ | アニメイトタイムズ
*6:Wake Up, Girls! FINAL LIVE直前インタビューvol.1「いままで見た中で、いちばんいいWUGちゃんだった!と思ってもらえるように」 - ファミ通.com
*7:Wake Up, Girls! FINAL LIVE直前インタビューvol.1「いままで見た中で、いちばんいいWUGちゃんだった!と思ってもらえるように」 - ファミ通.com
*8:『WUG』が語るPolarisの意味とワグナーへの思い | アニメイトタイムズ
*9:宮城県名取市の港町。一泊二日の二日目朝、バスツアーは閖上漁港の朝市を経由地とした
*10:『WUG FINAL TOUR - HOME - ~ PART III KADODE~』徳島夜公演レポ | アニメイトタイムズ
*11:ファミ通presents WUGちゃんねる!(WUGちゃんねるスタッフ) - ニコニコチャンネル:ゲーム
*12:Part2横須賀の映像を見よう
*13:メモリアルベストにヒガプリとノンスト全員分とハートライン入れたのでちょっと許した